元々のサクラソウは江戸時代に自生していた花ですが、改良を重ねて園芸用として完成されました。自生しているサクラソウは朝鮮半島や中国東北部にも見られますが、日本国内での自生地は少なくなっています。湿地や草地に群生しているサクラソウは地中に根茎があって、春になると5枚から6枚の葉が出て、15㎝から40㎝の花茎を伸ばして花が咲きます。
江戸時代末期には番付も出されていたのですが、明治時代以降には西洋から入ってきた草花に人々の関心が集まって、江戸の園芸は失われていきました。しかし現存する約300の品種のうち、約100種は江戸の愛好家たちが品種を引き継いで残してくれたものです。サクラソウを栽培するときは水はけの良い培養土に植えて、水切れしないように管理しましょう。また花後は増し土をして、日当たりの良い所で水やりを行います。夏は直射日光の当たらない涼しいところで夏越しをします。植え付けや植え替えは秋か2月が適しており、株を増やすには芽分けで行います。同じサクラソウ科に属しているプリムラが「サクラソウ」として出回っていることがありますが、日本生まれの品種として区別するときは二ホンサクラソウと呼ばれています。