菊は秋に咲く花で知られ、日本においては観賞用の多年生植物として、主に花卉園芸で発展してきた和菊が代表的です。
海外で生まれた品種は洋菊と呼ばれ、日本のものとは分けて取り扱われます。元々は秋の花でしたが、現在は育成技術の向上によって、秋以外のどの季節でも楽しめるようになっています。一方では食用のものもあって、料理に添えて使われますが、近年は健康食でも注目を集めます。食用は古代中国から伝わってきており、お酒や漢方薬などの形で飲まれてきた歴史があります。本来、菊は苦味があって工夫しないと食べられませんが、食用は品種改良により苦味が抑えられています。
菊といえば天皇や皇室の紋、公家や武家の家紋でも有名です。菊花紋章が用いられる理由の1つは花言葉で、高貴とされることから特別な紋に位置づけられます。

一般的には仏花のイメージが強く、病室にお見舞いの花として持ち込むのは忌避されますが、海外でも葬儀や墓参で用いられています。アジア圏では中国や韓国で葬儀に用いられますし、ヨーロッパ圏でもフランスやポーランド、クロアチアなどの一部地域では白い品種が墓参の定番です。身近にあるのにあまり意識して見られませんが、実は50円硬貨のデザインになっています。デザインがある方が表ですから、日本国と漢数字表記のある方を見ると、菊の形を確認することができます。”